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強光に対する植物の応答
→2010年版 生物図表P.168
光合成を行う植物にとって光は無くてはならないものであるが,強すぎる光はかえって有害である。たとえば,太陽光に含まれる紫外線は細胞内のDNAを傷つける作用がある。また,強い光に長時間さらされると,光合成系にも傷害がおよび,生産効率が落ちてしまうことが知られている。 植物は,光が弱いときには光を最大限に利用できるように,光が強い時にはそこからうけるダメージを最小限に食い止めるように,調節を行っている。
光の強弱に応じて植物が行う調節のひとつに,細胞小器官の移動がある。光が弱いとき,葉緑体は光の当たる面積が大きくなるように,つまり光に対して垂直な細胞膜のそばに並んでいる。しかし,強い光を浴びると,葉緑体は光から逃げるように移動し,光が当たる面積が小さくなるように,すなわち光に対して平行な細胞膜のそばに並ぶようになる。強い光から逃げる現象は,葉緑体だけでなく核やミトコンドリアでも報告されており,細胞小器官で働くタンパク質やDNAを保護する効果があると考えられている。
自分で動くことができない植物は,細胞を柔軟に変化させることによって,強い光から受ける細胞のダメージを緩和しているのである。

